男性の発想
忙しくてずっとご無沙汰だった、超低体重児を専門に担当している医師のブログを久しぶりに覗いたら、興味を引く話が載っていた。以下がそれ。
--- 赤ちゃんは泣くものだと思っていた 生れたばかりの赤ちゃんは数分間は泣き続けるものだと思っていた。大声で泣くことで肺が開くのだと思っていた。だから帝王切開に立ち会ったときも、赤ちゃんを受け取ったらラジアントウォーマーにのせて羊水を拭き取って、あとはひたすら泣かし続けていた。 さいきん、とあるきっかけがあって、帝王切開で娩出されたばかりの赤ちゃんにカンガルーケアを何例か行った。体を拭いて気道の安定を確認しだい、お母さんの胸のうえに赤ちゃんを載せる。むろん蘇生術が必要な赤ちゃんにそんなことしている余裕はないが、呼吸も安定して緊張も良い、アプガー1分値をカウントしたらあとは5分まで暇を持てあますような元気な子たちを対象として。 赤ちゃんはお母さんの素肌にのせるとぴたっと泣きやむ。今まで泣きわめいていたのが嘘のように。息が止まったのではないかと不安にさえなるが、しかし赤ちゃんを支えた自分の手からは赤ちゃんの呼吸運動がしっかり伝わってくる。赤ちゃんの顔をみてもチアノーゼはない。 あれはお母さんから引き離されて泣いていたという一面もあるのかも知れないと今さら思う。彼らはお母さんの何に反応して泣きやむのだろう。匂いという説もあるが、なんだかそういう機械的なお話に還元して語るのは野暮なような気もする。 --- とてもいい話だと思いました。そして、この前半の発想は、男性ならではじゃないかなとも。勿論、医学的に見たら「外界に出て苦しい=>泣く=>沢山呼吸しようとして肺が広がる」というのもあるのかもしれないけども、これが女性医師で、更に出産経験のある方だったら、多分「ずっと泣くもの」とは考えなかっただろうと。 いい話だなーと思う以上に、この点がとても興味深いと思って読みました。 カンガルーケアは憧れだったけど、うちの場合は「そんな事してる余裕はない」パターンだった。そればかりか、私が娘に初対面したのは出産翌日。当日NICUに入って会えたのは旦那様のみで、私は管だらけで真っ黒なとても小さい娘をデジカメの画面で見てベットで泣いたのだった。会えたのは翌日、触れたのは更にその後、しっかり胸に抱いたのは・・・2ヶ月以上後だったか。 小さな娘は、保育器の中で随分泣いていた。それで呼吸が安定せず、アラームが鳴りっぱなしで、面会に行く度にハラハラさせられた。抱きしめられない分、面会時間にはずっと保育器に手を突っ込んで、うつ伏せで丸くなって寝る娘の背中に手を乗せていた。 だからなのか・・・今でも娘は良くうつ伏せ寝をする。そして寝る時にはママの手を欲しがる事が多い。 保育器の中で、少しでもママを感じて安心してくれていたんだったら嬉しいな。 そんな娘も、今月で4歳。お陰様で元気爆発です。
by midori_cchi
| 2008-08-08 06:10
| 日記
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