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帰ってきたひみちゅ~

最初の記憶

さっき朝ごはんを食べながらつけていたTV(生命保険ので、赤ちゃんがコットに寝かされながら将来の不安を語り合っているってCM)を見て、娘が言った。

「こなっちゃん、このベットで寝ていたよね?」
ちょっと驚いた。
「そうそう、覚えている?」
「うん。・・・・・(少し考えて)タオルはさ、黄色、じゃなくて、ピンクだったよね?」

大正解だった。強化室(NICUの中でも呼吸器が取れて状態のいい子供が寝かされる部屋)のコットに寝ている子供はみんなピンクのタオルにくるまれて寝ていたのだ。
ちなみに黄色は、今現在彼女が大好きなタオルの色。

「そうそう、ピンクのタオルだったねぇ・・・。あのベット、「コット」って言うんだけど、コットで寝ている時からタオル大好きだったの?」
「うん!・・・あのお部屋で、ママがミルクくれたよねぇ」
「(更にびっくり!)そうそう、おっぱいもしたよ、覚えてる?」
「うん」
「あのお部屋で、ママ、こなっちゃんのオムツ変えたりもしたんだよ。おしり拭き拭きしてあげたんだよ」
「うん、・・・あのね、頭が痛かったの」
「え、お尻拭き拭きしている時?」
「うん。頭がね、ぴきって、ちょっとだけ痛かったの」
お尻を拭く時に足を持ち上げるので頭の方に体重がかかる。足を上げ過ぎていたのかしら、ごめんね(^^;;;


暫くして・・・
「コットのお部屋の、別のお部屋の話しようよ」 と娘。
「別のお部屋って?どこの?」
「病院の。」
「コットのお部屋の時よりこなっちゃんが赤ちゃん時?大きくなってから?(という部屋は無いんだけど)」
「もっと赤ちゃんの時」
NICUの一番奥の部屋、呼吸器を付けていた部屋の事を、覚えているんだろうか?

「いいよ。・・・・そのお部屋は、どんな音がしていた?」
「んーとね、ぶーとか、さーーーとか、聞こえてた」
「(ぶー、さー、か・・・色んな音が溢れた部屋だったから、そんな音もあったかな・・)ぴーぴーとかは?」
「うん、聞こえてた」
「うるさかった?」
「うぅん、うるさくない。あのね、こなっちゃんが「ほっ」ってすると音がしなくなるから」

ぴーぴーという音は血液中の酸素濃度が下がると鳴るアラーム音。鳴っている間は本人は呼吸が苦しいはずなのだ。

「鳴っているとき、こなっちゃんはどきどきしていたの?」
「うん。でも「ほっ」ってすると、音がしなくなるの」

超未熟児はちょっと寝返っただけでも呼吸が苦しくなったりするので頻繁にアラームがぴーぴー鳴っていたのだが、様子を見てても元に戻らない時には普段の酸素設定では足らないので看護師さんが手動で上げたりの調節を行う。行わないと危険な状態になることもあるのだが、酸素を送ってくれれば普通はすぐに楽になりアラーム音も消える。その事を言ってるのかな・・・。

他にも
「ママのおなかの中で、ママの声は聞こえてた?」
「うん」
とか、
「ママのおなかの中を出た時はどうだった?明るかった?暗かった?」
「明るかった」
「おなかのお外に出てすぐに、何をしてもらったの?お風呂入れて貰った?」
「体を拭いてもらったの」
「お外はあったかかった?寒かった?」
「あったかかった」
とか聞いたけど、これらの返答はちょっと微妙。誘導されて言わされている感じもあったかな。
その後も生まれた直後の話とか、呼吸器を付けていた頃の話を聞くと、
「・・・わかんない。」と、本当に分からないんじゃなくて、あまり思い出したくない、みたいな言い方をし始めたので、これ以上の質問はやめた。

おなかの中の事を覚えているって話は結構聞くけれど、生まれる前や生まれた後の話を聞いても今まではあまりハッキリした事を言ってくれたことが無くて、覚えていないのかな、と思っていた。何しろ普通より3ヶ月も早く出てきたんだから、まぁ覚えていなくても当然か、と。でも言えなかったのは彼女のボキャブラリーの問題だったのかもしれない。いやー、心底驚かされました。と同時に、色々質問して、覚えていたくない強烈な痛みの数々も思い出させてしまったのだとしたら、可愛そうな事をしたかな、とも。
あまりにも辛かった経験は早く忘れさせてあげたい。けど、大きくなってあの頃の痛みを忘れたら、写真を見せて話してあげようと思う。命を助けてくれた沢山のスタッフさん、パパとママとこなっちゃんの恩人達の写真と共に。
by midori_cchi | 2008-02-21 08:46 | 日記
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超低出生体重児出産に関する過去日記を始めました。(ごめんなさい、現在連載はお休み中)切迫流早産に不安を持っているママさんと未来のママさんへ、エールの気持ちをこめて。

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